<協力>
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中央魚類(株) 東京淡水魚卸協同組合 全国養鱒振興協会販売委員会
大阪魚市場(株) 大阪淡水魚貝(株) |
<鮮魚類>(中央魚類(株)鮮魚部扱い) 3月の鮮魚類(天然およ
び養殖)は、数量で前年比93%、単価で同101%の718円、金額で同94%。このうち天然物の入荷量は前年比90%、平均単価は同103%の695
円、金額で同92%。大幅数量減は、営業日数(前年より3日少ない)、時化、カツオの出遅れなどによるもの。反面、4週とも間に休日が入ったこともあり、
相場は総じて確りしていた。一方、養殖物は入荷量が前年比109%、単価が同91%の818円、金額で同99%。引き続き前年を上回る数量ながら、その増
加幅は前月よりかなり圧縮された。ハマチが主因。
4月入り後も時化が多く、カツオやアジ等の魚影も薄いことから、第4週までは数量で前年比10%減、金額で同5%減のペース。
こうした入荷状況に、「スーパーの多くが前年比95〜96%の売上とされる一方で、臨機応変な仕入れと対面販売が行える専門店は前年並もしくは前年超えも少なくないようだ」とのこと。
■養殖ハマチ
3月の入荷量は、野〆物が前年比105%の223t、活〆物が同80%の8t。平均単価は、野〆物が前年比108%の715円、活〆物が同104%の
793円(前月の単価は、野〆物が661円、活〆物が753円)。野〆と活〆の合計量では前年比104%、前々年比85%。当月も天然のブリ類は少なかっ
たが、養殖ハマチの産地在庫の消化が進み、浜値が上昇してきたことで、入荷ペースはダウンした。4月24日時点では、野〆物が750〜700円中心、活〆
物が850円中心で、強含み。
他方、3月のフィレーの入荷量は前年比92%の11t、平均単価は同86%の1331円だった。
■養殖カンパチ
3月の入荷量は、野〆物が前年比100%の33t、活〆物が同107%の64t。平均単価は、野〆物が前年比108%の919円、活〆物が同108%の
971円(前月の単価は、野〆物が822円、活〆物が939円)。野〆・活〆の合計量では前年比104%、前々年比92%。4月入り後も強気で、4月24
日時点では、野〆物が1000円中心、活〆物は1100円中心で、なお強含み。
■養殖マダイ
活〆・野〆物の3月の入荷量は前年比131%の173t、平均単価は前年比65%の618円(前月は631円)。前々年比では、数量が91%、単価が90%。4月入り後は横這いで、4月24日現在、野〆物が700〜600円、活〆物が900〜800円中心。
■養殖シマアジ
活〆・野〆物の3月の入荷量は前年比75%の6t、平均単価は同124%の1586円(前月は1575円)。4月入り後も堅調で、4月24日現在、1600円中心。
■養殖スズキ
活〆・野〆物の3月の入荷量は前年比8%の0.1t、平均単価は同170%の1671円。
<活魚・特種物>(中央魚類(株)特種部扱い)
3月の活物関係(養殖物)は、マダイ・ヒラメが数量増の単価ダウン、カンパチ・シマアジ・トラフグ・クルマエビが数量減の単価アップ。
■活マダイ
3月の養殖活マダイの入荷量は前年比143%の97.8t、平均単価は前年比64%の692円(前月は634円)。当月も前年比では大幅数量増・単価安、前々年比では数量減(91%)・単価安(89%)。4月入り後も横這いながら、下値はいくぶん確りしてきた印象。
3月の天然活マダイは、入荷量が前年比101%の6.7t、平均単価が同84%の3469円だった。
■活カンパチ(養殖)
3月の入荷量は前年比97%の36.3t、平均単価は前年比105%の1047円(前月は1025円)。産地在庫の消化が進んでいると伝えられているが、4月入り後も第4週までは小動きの範囲内。
■活シマアジ(養殖)
3月の入荷量は前年比52%の6.0t、平均単価は前年比104%の1611円(前月は1611円)。高値で引きは弱まっているものの、それ以上に在庫消化が進んでいるのか、浜値が強く、4月入り後も強保合。
■活ヒラメ
3月の養殖活ヒラメの入荷量は前年比201%の7.1t、平均単価は前年比90%の1693円(前月は1804円)。引き続きほとんどが韓国産。単価が
下方修正されたことで引きが強まり、大幅数量増に。4月入り後も保合圏。一方、3月の天然活ヒラメは、入荷量が前年比100%の6.2t、平均単価は同
87%の3243円だった。
■活ハマチ(養殖)
3月の入荷量は前年比67%の0.4t、平均単価は前年比101%の916円(前月は918円)。
■活スズキ
3月の入荷量は前年比133%の16.4t、平均単価は同80%の849円。上記は天然物主体。
■活トラフグ(養殖)
3月の入荷量は前年比62%の4.2t、平均単価は前年比153%の4078円(前月は3717円)。主に大分産と長崎産。品薄感から4月入り後も堅調で、「5月入り後はさらに強気に」との見方も。
■ホタテ
3月は、ボイル物が入荷量―前年比75%、平均単価―同95%の704円。むき身貝柱(生)が入荷量―同109%、平均単価―同100%の2311円。殻付きが入荷量―同128%、平均単価―同107%の442円。
■アワビ
3月の入荷量は前年比82%の4.7t、平均単価は前年比101%の7074円(前月は6582円)。
■カキ
3月は、剥きカキが入荷量―前年比65%、平均単価―同135%の852円、殻付きが入荷量―前年比176%、平均単価―同97%の720円。
■活クルマエビ
築地全社分の3月のクルマエビ総入荷量は前年比78%の37.3t。内訳は、国内養殖物が36.1t(前年比78%)、国内天然物が0.7t(同
50%)、輸入物(台湾産天然物)が0.5t(前年は入荷なし)。国内養殖物は、沖縄産が前年より約5t、鹿児島産が同3.2t、西九州産が同1.4t、
瀬戸内が同0.5t、それぞれ減少しており、昨秋以降の成育が全般に思わしくなかったことが窺われる。4月入り後も、第4週までは前年比約1割減の入荷
ペース。
中央魚類扱い分の3月の国内物(養殖+天然)平均単価は前年比122%の5778円、輸入物は7500円。
■ニジマス
【鮮魚】(全国養鱒振興協会販売委員会扱い)
3月の富士養鱒漁協の扱い量は13.4t(前年対比95%)、平均単価は635円/kg(同96%)。
春の到来とともに荷動きが活発化し、取扱量は前月を30%上回ったが、産地では在庫が少ない上に渇水状態から成育も遅れており、実態は受注量を大きく下
回るものであった。価格は月中から前年水準まで値上げし、前月を7%上回った。4月は在庫が少ないために苦慮しそうだが、価格の上昇・安定に力を注いでい
く。
富士養鱒漁協の4月の目標値は、数量20t、平均単価680円/kg。
【活魚】
4月は春休みが終わって、GWまでの間はやや中弛みといった感じになった。とは言え、本格的に暖かくなってきて、マス釣りシーズンに突入しており、4月の全般的な荷動きはまずまずといったところか。
主要産地の渇水傾向が続き、池在庫が少ないと言われているが、「魚を集める上では、それほど大きな支障は感じない」(活魚関係者)とのことだ。
■ウナギ(東淡扱い他)
3月の東淡扱い分の入荷量は193.9t(前年対比83%)、平均単価は2942円/kg(同1042円アップ)。
国内在鰻の払底感が強まる中、主産地・三河一色地区では3月に池揚げ価格を上方修正。末端の蒲焼専門店からは、あまりの高値に悲痛な声も聞かれるが、
“国産志向”を強める消費者相手の商売である以上、なんとか国産活鰻を確保したいという気持ちも強い。しかし、ここまで国産価格が上がって来たため、台湾
物に切り換える動きも加速している模様だ。
4月入り後は、輸入物の相場が落ち着いてきたことなどで、国産相場も横ばいになっている。
夏場に向けての供給および価格が気になるところだが、現在の高値では加工場が原料として使いきれずにその余剰分が消費地に流通し、さらに6月からは新仔の池揚げも始まるので、丑に向けて活鰻相場は下がっていくのではないかという見方が強まっている。
■アユ
中央魚類(株)特種部扱い分の3月の入荷量は前年比104%の730kg、平均単価は同107%の1628円。
■ウナギ・スッポン
中央魚類(株)特種部扱い分の3月の活ウナギの入荷量は前年比241%の2.9t、平均単価は前年比146%の2684円。活スッポンの入荷量は前年比111%の2.0t、平均単価は同105%の2659円で、中国産が中心。
■コイ
中央魚類(株)特種部扱い分の3月の入荷量は前年比110%の1.7t、平均単価は同102%の685円。
大阪魚市場(株)鮮魚第2課・第4課扱い分(3月)
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入荷量 (t) |
前年対比
(%) | 平均単価
(円/kg) | 前年対比
(%) | コメント |
養殖ハマチ |
58 |
92 |
844 |
93 |
3月は愛媛・大分産などで、目廻りは3.8kg、値幅は1050〜600円で、月平均では前月より約30円アップ。4月入り後も、在庫の減少や“造り需要期”を迎えたことで強含み。少なくとも5月中旬まではその流れで進みそう。 |
養殖ブリ |
288 |
120 |
770 |
96 |
3月は鹿児島・愛媛産中心で、目廻りは約6kg、値幅は800〜650円。
前月より上値も上がり、月平均では約70円のアップ。産地在庫がかなり捌けたので4月以降も基本的に強気だが、春のメニュー変更に伴い、引きは弱まってい
るため、「じんわり上がる感じでは?」と担当者。 |
養殖マダイ | 201 | 136 |
733 |
70 |
3月は愛媛・高知・和歌山・三重産などで、目廻りは1.5kg。値幅は900〜600円と
前月並(月平均も同水準)。数量は一昨年同月比で73%。4月下旬〜5月上旬にかけては、2.5〜3kgサイズが軟調、他サイズは保合の見通しだが、5月
下旬以降は韓国向け出荷が復調し、大型サイズを含めて強気に転じる可能性も指摘されている。 |
養殖カンパチ |
82 | 124 |
1,072 | 98 |
3月は愛媛・宮崎・鹿児島産中心で、目廻りは3.3kg、値幅は1250〜800円で、月平均では前月より約50円アップ。数量は一昨年同月比で131%。池在庫の消化や季節的な需要増から、4月入り後も強気配。ゴールデンウィークを迎え、引きはさらに強まる見通し。 |
養殖ヒラマサ |
9.3 | 160 |
1,050 | 88 |
3月は愛媛・大分産主体で、目廻りは約4kg、値幅は1250〜900円とほぼ前月並(月平均も同水準)。4月入り後は、2.5kg前後の間引き魚が一部で出回っているものの、全体としては強含み。 |
養殖ヒラメ |
97 | 107 |
1,570 | 92 |
3月は韓国産が約5割を占め、国内物は大分産と鹿児島産が主体。1kgサイズ中心で、値幅は2200〜1300円と、ほぼ前月並。4月入り後も、国産と韓国産がほほ半々の入荷ペースで保合圏。 |
養殖シマアジ |
12.7 | 115 |
1,485 |
101 |
3月は愛媛産主体で、中心サイズは約1kg、値幅は2200〜1450円とほぼ前月並だが、月平均では約200円ダウン。池在庫は依然少なめ、造り需要が増える時期でもあることから、4月下旬から5月中旬にかけては保合〜強含みの見通し。 |
養殖トラフグ |
24.1 | 62 |
3,507 |
153 |
3月は愛媛・熊本・長崎・鹿児島産、そして中国産(少量)などで、中心サイズは1kg。値幅は6000〜2500円で、やはり上げ基調だった。4月下旬〜5月中旬にかけても強保合。 |
養殖スズキ |
2 | 161 |
908 |
84 |
3月は愛媛・高知産主体で、中心サイズは1.8kg、値幅は1000〜900円。在池量は多くないが、引きも弱いので、4月下旬〜5月中旬は保合圏とみられる。 |
(大阪魚市場(株)「ストラテジー情報」より)
●天然マダイ
大分、瀬戸内(広島、岡山、香川、兵庫)、和歌山方面からの入荷が中心となる。5月は端午の節句もあり、祝い鯛として小鯛(500〜300g)サイズの
需要が高まってくる時期。入荷量、相場共に昨年並が見込まれる。5月の予想相場(kgあたり)は、3.0kgUP―2500〜900円、2.0〜
1.3kg―4000〜1000円、1.0〜0.7kg―3000〜600円、0.5〜0.3kg―2000〜600円。
●養殖マダイ
5月は愛媛、高知、和歌山からの入荷が主体で、サイズは1.5〜1.6kgが中心となる。昨年に比べ2kgサイズの入荷を多く見込んでおり、相場はやや
弱含みで推移しそう。予想相場は、2.0〜1.5kg―900〜600円、1.5〜1.3kg―900〜600円、1.2〜1.0kg―900〜600
円、1.0〜0.8kg―900〜700円。
●養殖ブリ
鹿児島からの出荷も終わり、5月は愛媛からの入荷が主力になる。在池量が少ないのと、産卵期に向かい出荷が減少してくることなどから、昨年に比べ入荷量
は少なめとなり、やや強含みの相場が予想される。予想相場はラウンド(6〜4kg)―900〜800円、フィレー(7.5〜6.5kg4枚入)―
1450〜1400円。
●養殖ハマチ
5月は高知から3kg物中心の出荷が始まる。相場は1100〜900円と昨年並の見込みで、入荷量も昨年並となりそう。
●養殖カンパチ
愛媛、高知、鹿児島、大分、宮崎からの入荷となる。昨年に比べ1〜2割増の入荷を見込んでいる。サイズは4kg中心、相場は1400〜1000円と昨年
並の予想。ただし、今後は出荷が多いこともあり、夏場に向けて在池量が減少して相場も徐々に上げてくるものと予想される。
●マグロ
【生鮮物】本マグロは漁が順調であれば、和歌山(勝浦)、宮崎(日南)方面からの入荷が見込まれる。オーストラリア産養殖インドマグロに関
しては、産地価格と国内の販売価格の開きがあるなどで昨年は少なかったが、今年もさらに少なめになりそう。輸入物は台湾、インドネシア方面からの入荷が中
心になる。
【冷凍物】本マグロ、インドマグロの脂物は良品が少なく、数量も見込めない状況。赤身商材としてのキハダ、メバチに関しても入荷量は少ない見込み。
●アジ
平アジは、大分、愛媛(八幡浜)の活魚、九州(長崎、福岡)の巻網物、和歌山(紀州)方面の巾着物が中心となる。丸アジは、和歌山から200g中心の扱いやすいサイズの入荷が順調に続いている。
●養殖サーモン
入荷量はほぼ昨年並で安定する見込み。相場も稚魚の入れ替えがある秋口までは、大きな変動もなく昨年並で推移しそう。予想相場は、セミドレス(6〜4kg)―1100〜1050円、フィレー(9kg6枚入)―2000〜1900円。
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