<協力>
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中央魚類(株) 東京淡水魚卸協同組合 全国養鱒振興協会販売委員会
(株)うおいち 大阪
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<鮮魚類>(中央魚類(株)鮮魚部扱い他)
6
月の鮮魚類(天然および養殖)は、数量で前年比95%、単価で同115%の543円/kg、金額で同109%。そのうち、数量で9割強を占めた天然物の入
荷量は前年比92%、平均単価は同116%の505円、金額で同107%。一方、養殖物の入荷量は前年比146%、単価は同87%の962円、金額で同
127%。当月もカンパチは前年数量を10%下回ったが、ハマチは130%増、マダイが36%増、輸入サーモンのセミドレスが50%増、同フィレーは4倍
近い増加だった。
東京都中央卸売市場全体で見ると、マイワシ、輸入サケマス、サンマなどが大幅増。カツオ、ブリ、ギンザケ、サバも増えたが、ワラサ、マアジ、スルメイカなどが減。マグロ類や魚卵も含めた鮮魚全体では前年比103%だった。
他方、スーパーマーケット販売統計調査による水産部門の6月の売上(速報値)は、全店ベースで前年比103.3%、構成比は8.6%。他部門は、青果
108.1%、畜産104.5%、惣菜105.2%、日配102.8%、一般食品101.6%、食品全体で103.8%。水産品については、気温がやや低
かったこともあってか、「刺身類は不調、ウナギは好調」としたところが多かったという。
■養殖ハマチ 6
月の入荷量は、野〆物が前年比289%の75t、活〆物が同75%の7.1t。平均単価は、野〆物が前年比68%の670円、活〆物が同96%の990円
(前月は、野〆が714円、活〆が983円)。野〆と活〆の合計量では前年比231%。7月最終週時点では野〆が800〜650円、活〆は1000円中心
だが、浜値は上方修正されており、強含み。
6月のフィレーは、入荷量が前年比149%の26t、平均単価は同86%の1398円だった。
■養殖カンパチ
6
月の入荷量は、野〆物が前年比88%の9.4t、活〆物が同91%の24t。平均単価は、野〆物が前年比94%の1161円、活〆物が同95%の1317
円(前月は、野〆が1182円、活〆が1340円)。野〆・活〆の合計量では前年比90%。7月最終週時点では、野〆が1200〜1100円中心、活〆が
1400〜1200円中心で、共に弱含み。売れ行きが鈍い。
6月のフィレー入荷量は前年比154%の6t、平均単価は同93%の1983円だった。
■養殖マダイ
6
月の入荷量は、野〆物が前年比156%の99.5t、活〆物が同75%の16.5t。平均単価は、野〆物が前年比97%の711円、活〆物が同96%の
818円(前月は、野〆が690円、活〆が776円)。野〆・活〆の合計量では前年比136%。7月最終週時点では、野〆が850〜600円中心、活〆は
900〜800円中心で強含み。2kg超サイズの品薄感に加え、宇和海での赤潮による池揚げ減も影響している。
6月のフィレー入荷量は前年比104%の2.4t、平均単価は同106%の2589円だった。
■養殖シマアジ
活〆・野〆物の6月の入荷量は前年比150%の4.5t、平均単価は同109%の1630円(前月は1602円)。7月最終週時点では活〆が1700〜1600円中心、野〆が1600〜1500円中心で保合。
■養殖ヒラメ
6
月の活物の入荷量は前年比74%の1.7t、平均単価は同105%の1661円(前月は1686円)。7月最終週時点では、国産が1900〜1800円、
韓国産が1700〜1600円中心で、共に強含み。フィレー(国産)は、入荷量が前年比100%の0.6t、平均単価は同84%の4367円だった。
■輸入養殖サーモン
生鮮セ
ミドレスの6月の入荷量は前年比150%の56.1t、平均単価は同89%の960円(前月は938円)。7月最終週時点では1100〜1000円中心で
強含み。中国による買付け増の影響大とのこと。6月の生鮮フィレーは入荷量が前年比469%の12.2t、平均単価が同86%の1443円。
<活魚・特種物>(中央魚類(株)特種部扱い他) 6月の活物関係(養殖物の前年比)は、マダイ・シマアジ・ヒラメが数量・単価ともアップ、カンパチが数量増の単価ダウン、クルマエビは引き続き大幅単価アップ。
■活マダイ 6
月の活養殖マダイの入荷量は前年比121%の45.8t、平均単価は同109%の820円(前月は780円)。7月最終週時点では1100〜750円中
心。品薄の2kg以上サイズを中心に浜値は上昇傾向だが、消費地卸売価格は保合圏。6月の活天然マダイは前年比105%の6.9t、平均単価が同98%の
1320円だった。
■活カンパチ(養殖)
6月の入荷量は前年比102%の33.5t、平均単価は同98%の1420円(前月は1390円)。7月最終週時点では1500〜1400円中心で保合。
■活シマアジ(養殖)
6月の入荷量は前年比110%の5.1t、平均単価は同102%の1670円(前月は1650円)。7月最終週時点では1800〜1700円中心で保合。
■活ハマチ・ヒラマサ(養殖)
6月の活養殖ハマチの入荷量は前年比342%の1.6t、平均単価は同100%の1190円(前月は1140円)。活養殖ヒラマサは入荷量が前年比180%の1.3t、平均単価が同102%の1340円だった。
■活サバ(養殖)
6月の活養殖サバは入荷量が前年比380%の0.9t、平均単価が同136%の2020円(前月は1990円)。
■活ヒラメ
6月の活養殖ヒラメの入荷量は前年比116%の7.8t、平均単価は同110%の1440円(前月は1460円)。7月最終週時点では1600〜1450円中心で保合圏。6月の活天然ヒラメは前年比72%の7.5t、単価は同101%の1050円だった。
■活トラフグ
6月の活養殖スズキは、入荷量が前年比142%の4.0t、平均単価が同89%の990円。活天然スズキは前年比93%の14.2t、平均単価が同101%の880円だった。
■活スズキ
5月の活養殖スズキは、入荷量が前年比89%の2.4t、平均単価が同88%の970円。活天然スズキは前年比82%の7.5t、平均単価が同96%の700円だった。
■活カワハギ
6月の活天然カワハギは前年比127%の250kg、平均単価は同155%の1360円だった。
■活クルマエビ
築地全社分の6月の活クルマエビ入荷量は前年比81%の31.3t。内訳は、国内養殖が29.2t(前年比80%)、国内天然が2.0t(同93%)、台
湾産天然物が123kg(前年は入荷無し)。国内養殖の内訳は、鹿児島が14.0t(同92%)、西九州が9.2t(同102%)、沖縄が5.6t(同
46%)、瀬戸内が0.5t(同146%)。中央魚類扱い分の6月の国内物(養殖+天然)の平均価格は前年比176%の7573円。沖縄産の大幅減が効い
ているが、近年に無い高値であり、7月入り後もその水準が維持されている。6月の台湾産の平均単価は6196円だった。
■ニジマス 【鮮魚】(全国養鱒振興協会販売委員会扱い)
6月の富士養鱒漁協の扱い量は15.6t(前年対比77%)、平均単価は811円/kg(同113%)。
6月は各組合員の生産も順調に推移し、活魚の動きが鈍い影響もあって、受注量を十分に確保ができるだけの池在庫があった。しかし、ニジマスの需要期ではあるものの、販売量は伸び悩んだ。7月は、販売量の増加に力を入れ、活魚需要の動向も注視してゆく。
富士養鱒漁協の7月の目標値は、数量20t、平均単価810円/kg。
【マス類活魚】
7月は、連休前に台風11号が西日本に上陸し、被害を受けた釣り場もあった。しかし、その後は梅雨
も明け、良好な天候が続き、釣り場の客入りは順調だった。今夏は、全国的に猛暑日が多いものの、特に河川釣り場は猛暑下でも来場者が多いようだ。また、近
年はお盆休みが分散する傾向にあり、お盆以外の平日においても、そこそこの客入りが見込める状況になっている。
■ウナギ(東淡扱い他)
7月中旬に全国的に梅雨明けとなり、その後は猛暑の続くウナギ販売にとっては絶好の気候となった。そのため、ウナギ業界にとって最大の書き入れ時である土用丑の日(7月24日、8月5日)は、専門店も量販店も好商いとなった模様だ。
今期は、特に中国のシラス漁が振るわなかったことから、相場の先高感が強い。国内産地の池揚げ価格は、丑まで上昇し続けて来たが、今後も絶対量が少ないことから、しばらくは相場が下がる展開とはなりそうにない。
■アユ・スッポン・コイ(中央魚類(株)特種部扱い)
6月の養殖アユの入荷量は前年比83%の17.0t、平均単価は同108%の1362円。
6月の養殖スッポンの入荷量は前年比94%の0.5t、平均単価は同101%の2867円。
6月の養殖コイの入荷量は前年比111%の1.0t、平均単価は同100%の789円。
■アワビ・ホタテ(中央魚類(株)特種部扱い)
6月の天然アワビの入荷量は7.2t、平均単価は7386円。養殖物の入荷量は1.7t、平均単価は5799円。
6月のホタテは、ボイル物の入荷量が前年比40%の0.9t、平均単価が同30%の258円。むき身貝柱(生)の入荷量が前年比92%の38.2t、平均単価が同123%の3138円。殻付きの入荷量が前年比135%の30.3t、平均単価が同110%の523円。
(株)うおいち大阪鮮魚第2課・第4課扱い分(6月)
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入荷量
(t) |
前年対比
(%) |
平均単価
(円/kg) |
前年対比
(%) |
コメント |
養殖ハマチ |
24.7
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107
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981 |
91
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6月は愛媛・高知・宮崎産で、中心サイズは3kg。値幅は1200〜900円と前月同様、平均単価も同水準。7月最終週時点でも同水準で保合。 |
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養殖ブリ |
11.0
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92 |
890
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89 |
6月は鹿児島産と大分産で、中心サイズは5.5kg。値幅は950〜800円と前月より安値が下げたが、平均単価は同水準。7月最終週時点でも同水準で保合。 |
養殖マダイ |
201.3
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139 |
775 |
98 |
6月は愛媛・高知・熊本・和歌山・三重産で、中心サイズは1.5kg。値幅は1100〜700円と高値が前月より上げ、平均単価も若干アップ。7月最終週時点では強含み。2kg以上サイズの品薄に加え、宇和海での赤潮発生も影響(地区によっては出荷困難に)。 |
養殖カンパチ |
51.5
|
98
|
1,185 |
93
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6月は愛媛・高知・宮崎・鹿児島産で、中心サイズは3kg、値幅は1400〜1000円と前月同様、平均単価は僅かにダウン。魚体サイズは依然小さめだった。7月最終週時点ではほぼ同水準で保合。 |
養殖ヒラマサ |
―
|
―
|
―
|
―
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6月は大分産で入荷量は約2t。中心サイズは3.5kg,価格は1400〜1300円と前月より安値が上昇。 |
養殖ヒラメ |
44.8
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69 |
1,356
|
105 |
6月は大分・鹿児島主体の国内産が約8割、韓国産が2割(前年は3割)。中心サイズは1kg。値幅は2200〜1000円と前月に比べ高値が上げたが、平均単価はダウン。7月最終週時点ではほぼ同水準で保合。数量減は主に“外売り”分。 |
養殖シマアジ |
5.9 |
50
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1,666 |
117
|
6月は愛媛・長崎・高知産で、中心サイズは1.2kg。値幅は2000〜1200円と前月同様、平均単価は若干アップ。7月最終週時点では同水準で保合。大幅数量減は主に“外売り”分。
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養殖トラフグ |
2.2
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21 |
3,091
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254
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6月は熊本産と長崎産で、中心サイズは800g。値幅は4600〜800円と前月同様も、平均単価はダウン。7月最終週時点では強含み。
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((株)うおいち 大阪「ストラテジー情報」より)
●養殖マダイ
愛媛中心に、高知・和歌山・熊本方面からの入荷となる。前月に引き続き、2.0kgUPの大きめサイズは在池量が少なめ。その他のサイズは安定した入荷が
見込める。相場は前月並で推移しそう。お盆に向けて、刺身商材として需要が高まる。8月の予想相場(kgあたり)は、1.8kgUP−1200〜1000
円、1.7〜1.5kg−1000〜900円、1.4〜1.2kg−900〜850円、1.1〜0.8kg−900〜850円。
●養殖ブリ
鹿児島、大分主体に入荷する。大分を中心に在池量が多く、昨年より若干安めの相場となっている。現状の相場は保合で、秋口まではこの状況が続く見込み。予想相場は、ラウンド(5〜4kg)−900円、フィレー(6.5kg4枚入)−1400円。
●養殖ハマチ
お盆までは高知・愛媛・宮崎方面中心の入荷だが、盆過ぎからは瀬戸内(香川・徳島)方面中心の入荷となる。在池量は例年並で、1200〜1000円の相場で推移しそう。中心サイズは3.5kg前後。刺身や寿司ネタ向けに需要が高まる。
●養殖カンパチ
九州(鹿児島・宮崎・大分)方面主体に、中心サイズ3.5kgの入荷となる。在池量は例年並だが、需要が落ち気味なため、昨年より少なめの入荷となりそう。相場は、前月同様、1450〜1200円で推移する見込み。
●養殖シマアジ
愛媛・三重主体の入荷となる。7月同様、餌の高騰と在池量が少ないことで厳しい状況が続きそう。相場は前月並(2200〜1000円)で推移する見込み。刺身商材として需要が高まる。
●養殖スズキ
愛媛・香川・高知主体の入荷となる。スズキは初夏が旬で、養殖物は6〜8月に市場への入荷が多くなる。シーズン中に在池分を販売しきるためにも、相場は前月より少し下がり、1300〜500円で推移する見込み。中心サイズは2.0〜1.3kg。
●養殖アユ
岐阜・和歌山中心に、熊本・大分・宮崎・徳島からも入荷する。今年は主力産地・岐阜の成長遅れから昨年より入荷が少なめだったが、7月頃からは出回りが順
調となっている。予想相場は、8〜15尾/kg−1500〜1000円、180〜200gサイズ3尾入−300〜200円。小アユ(500g入)−
1500〜1000円。
●養殖アトランティックサーモン
昨年は高値相場が続いたが、今年は昨年より下げ相場で、浜値も落ち着いている。昨年並の入荷が見込まれ、前月同様の相場で推移し
そう。ノルウェー産アトランの予想相場は、セミドレス(6〜4kg/尾)−1300〜1100円、フィレー(6kg4枚入)−2200〜2000円。
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