鮮魚・活魚市況
2015年12月〜2016年1月

<協力>

中央魚類(株) 東京淡水魚卸協同組合 全国養鱒振興協会販売委員会
(株)うおいち 大阪

 
関 東

<鮮魚類>(中央魚類(株)鮮魚部扱い他)

 12 月の鮮魚類(天然および養殖)は、数量で前年比98%、単価で同96%の724円/kg、金額で同94%。そのうち、数量で83%を占めた天然物の入荷量 は前年比97%、平均単価は同96%の661円、金額で同93%。一方、養殖物の入荷量は前年比101%、単価は同97%の1033円、金額で同98%。 当月は、ハマチが35%増、輸入サーモンのセミドレスが17%増、同フィレーが48%増、マダイは20%減、カンパチは36%減だった。
 東京都中央卸売市場全体で見ると、マアジ、マイワシ、サバ、輸入サケマスなどは大きく増えたが、サンマが前年の1/4、スルメイカやブリも大幅減となり、マグロ類や魚卵も含めた鮮魚全体(貝類は除く)では前年比99%だった。
 他方、スーパーマーケット販売統計調査による水産部門の12月の売上高(速報値)は、全店ベースで前年比102.5%、構成比は10.1%。他部門の前 年比は、青果102.4%、畜産102%、惣菜106%、日配103.7%、一般食品103.2%、食品全体で103.3%。水産品は、刺身類は好調、気 温の影響で鍋商材は苦戦したと伝えられている。

■養殖ハマチ
 12 月の入荷量は、野〆物が前年比137%の233t、活〆物が同115%の17.7t。平均単価は、野〆物が前年比87%の763円、活〆物が同86%の 965円(前月は、野〆が795円、活〆が969円)。野〆と活〆の合計量では前年比135%。1月最終週時点では野〆が800〜650円、活〆は 1000〜900円中心で弱気配。成長が遅れ気味だったためか、ここへ来て出荷が集中してきているという。
 12月のフィレーは前年比104%の63t、平均単価は同87%の1326円だった。
■養殖カンパチ
 12 月の入荷量は、野〆物が前年比89%の19.3t、活〆物が同52%の24.4t。平均単価は、野〆物が前年比123%の1140円、活〆物が同115% の1243円(前月は、野〆が1114円、活〆が1255円)。野〆・活〆の合計量では前年比64%。1月最終週時点では、野〆が1200〜1100円中 心、活〆が1400〜1300円中心で共に強保合。浜値は強気。
 12月のフィレーは前年比80%の15.5t、平均単価は同119%の1938円だった。
■養殖マダイ
 12 月の入荷量は、野〆物が前年比97%の106.3t、活〆物が同34%の13.5t。平均単価は、野〆物が前年比124%の837円、活〆物が同126% の942円(前月は、野〆が829円、活〆が923円)。野〆・活〆の合計量では前年比80%。1月最終週時点では、野〆が850〜700円(大サイズは 950円)中心、活〆は1000〜900円中心で共に保合。
 12月のフィレーは前年比81%の11t、平均単価は同122%の2526円だった。
■養殖シマアジ
 活〆・野〆物の12月の入荷量は前年比102%の4.2t、平均単価は同109%の1710円(前月は1695円)。1月最終週時点では1800〜1700円中心で保合。
■養殖ヒラメ
 12 月の活物の入荷量は前年比66%の3.5t、平均単価は同123%の2017円(前月は2007円)。1月最終週時点では国産・韓国産とも2100〜 2000円中心で保合。12月のフィレー(国産)は前年比50%の1.3t、平均単価は同101%の5126円だった。
■輸入養殖サーモン
 生鮮セミドレスの12月の入荷量は前年比117%の56t、平均単価は同91%の1101円(前月は1038円)。1月最終週時点では1200〜1000円中心。12月の生鮮フィレーは前年比148%の20t、平均単価が同93%の1463円だった。


 <活魚・特種物>(中央魚類(株)特種部扱い他)
 12月の活物関係(養殖物の前年比)は、カンパチ・シマアジ・ヒラメが数量・単価ともにアップ。マダイ・トラフグは数量減の単価アップ、国産クルマエビは同数量の単価ダウン。

■活マダイ
 12月の活養殖マダイの入荷量は前年比95%の55.9t、平均単価は同140%の892円(前月は896円)。1月最終週時点では1100〜800円中心で保合。12月の活天然マダイは前年比110%の2.7t、平均単価が同154%の2972円だった。
■活カンパチ(養殖)
 12月の入荷量は前年比102%の40.8t、平均単価は同117%の1312円(前月は1328円)。1月最終週時点では1500〜1400円中心で保合。
■活シマアジ(養殖)
 12月の入荷量は前年比118%の6.2t、平均単価は同107%の1715円(前月は1730円)。1月最終週時点では1850〜1750円中心で保合。
■活ハマチ・サバ(養殖)
 12月の活養殖ハマチの入荷量は前年比230%の1.7t、平均単価は同99%の1185円(前月も1185円)。活養殖サバは、入荷量が同56%の0.7t、単価が同135%の2034円だった。
■活ヒラメ
 12月の活養殖ヒラメの入荷量は前年比126%の15.5t、平均単価は同129%の1827円(前月は1825円)。1月最終週時点では2200〜1800円中心で保合。12月の活天然ヒラメは前年比95%の21t、平均単価は同124%の2158円だった。
■活トラフグ
 12月の活養殖トラフグの入荷量は前年比54%の1t、平均単価は同167%の3301円。1月最終週時点では4500〜3800円中心。12月の活天然トラフグは前年比161%の1.2t、平均単価は同71%の4523円だった。
■活ハタ・クエ(養殖)
 12月の活養殖ハタの入荷量は前年比50%の473kg、平均単価は同93%の1909円。活養殖クエは、入荷量が同109%の12kg、単価は同104%の3851円だった。
■活スズキ
  12月の活養殖スズキは、入荷量が前年比255%の2.4t、平均単価が同102%の988円。活天然スズキは前年比46%の3.5t、単価は同137%の600円だった。
■活カワハギ ・ソイ
 12月の活養殖カワハギは前年比111%の6.6t、平均単価は同119%の3015円。活天然カワハギは同323%の1.7t、単価は同64%の1149円。活養殖ソイは入荷量が0.3t、単価は983円だった
■活クルマエビ 
  築地全社分の12月の活クルマエビ入荷量は前年比100%の54.4t。内訳は、国内養殖が52.4t(前年比99%)、国内天然が1.8t(同 398%)、輸入物が0.2t(同25%)。国内養殖の内訳は、西九州が16.5t(同100%)、鹿児島が14.4t(同101%)、沖縄が12.5t (同82%)、瀬戸内が6.2t(同201%)、東九州が2.9t(同69%)。輸入物は、前年同様、すべて台湾産天然エビ。中央魚類扱い分の12月の国 内物(養殖+天然)の平均価格は前年比94%の4955円、輸入物は同140%の1万3376円だった。

■ニジマス
【鮮魚】(全国養鱒振興協会販売委員会扱い)
 12月の富士養鱒漁協の扱い量は3.3t(前年対比73%)、平均単価は786円/kg(同119%)。
 12月に入り冬物商材が主流となる影響を受け、出荷量は前月を19%、前年を28%と大きく下回り、価格も前年を下回った。1月はさらに苦しい展開が想 定されるが、出荷量の減少に伴い各組合員の池在庫は出荷受注量を確保できる水準にあるため、出荷量および価格の維持に力を注いでいく。
 富士養鱒漁協の1月の目標値は、数量4t、平均単価780円/kg。
【マス類活魚】
 12月から1月半ばまでの釣り場の客入りは好調だったが、その後は本格的に寒くなってきたことか ら、活魚の荷動きは鈍化した。ただし、真冬に釣り客が減るのは例年のことなので、関係者にとっては想定通りだったと思われる。なお、活魚消費量がそれほど 多くない状況でも魚の荷不足感はあるようで、春先からの需要期に魚の確保が難しくなる局面もあり得そうだ。

■ウナギ(東淡扱い他)
 2 月上旬時点で、国内のシラス池入れ量は約10tと伝えられており、不漁だった昨年を若干下回る状況となっている。そのため、産地では在鰻を温存する傾向に 拍車が掛かっている模様で、オフシーズンで消費は振るわないものの、国内の池揚げ価格は上げて来ている。さらに、中国や台湾物の相場もシラス不漁を受けて 強含みとなっている。今期はシラスが高値で推移したことから、生産者サイドのシラス購入資金もすでにかなり使われてしまっていると考えられ、今後、シラス が大採れしない限りは、最終的に昨年並の池入れ量に届くかどうかといった水準になりそう。

■スッポン・コイ(中央魚類(株)特種部扱い)
 12月の養殖スッポンの入荷量は前年比70%の0.9t、平均単価は同103%の2864円。
 12月の養殖コイの入荷量は前年比91%の1.0t、平均単価は同100%の791円。

■アワビ・ホタテ・カキ(中央魚類(株)特種部扱い)
 12月の天然アワビの入荷量は5.6t、平均単価は7985円。養殖物の入荷量は2.4t、平均単価は5426円。
 12月のホタテは、むき身貝柱(生)の入荷量が前年比79%の36.6t、平均単価が同118%の4261円。殻付きの入荷量が前年比97%の34.7t、平均単価が同114%の714円。
 12月の剥きカキの入荷量は前年比133%の48.9t、平均単価は同79%の1618円。殻付きの入荷量は前年比90%の38.4t、平均単価が同122%の1113円


関 西

(株)うおいち大阪鮮魚第2課・第4課扱い分(12月)
  入荷量
(t)
前年対比
(%)
平均単価
(円/kg)
前年対比
(%)
コメント
養殖ハマチ 36.1
92 934 90

12月は香川・徳島産で、中心サイズは3.8kg。値幅は1150〜700円と安値が前月より下げ、平均単価もダウン。1月末時点でも弱含み。池揚げが遅れ気味で推移してきたことや、同じ状況のブリの値下がりも影響。


養殖ブリ 179.5
123 767
85 12月は鹿児島・大分産で、中心サイズは5.8kg。値幅は880〜650円と安値が前月より下げ、平均単価もダウン。1月末時点でも弱含み。昨秋の出だしの悪さが尾を引いている格好。
養殖マダイ 235.6
91 875 121 12月は愛媛・高知・熊本・和歌山産で、中心サイズは1.3kg。値幅(1150〜800円)も平均単価も前月同様。大型サイズの不足感も解消されてきた。1月末時点では同水準で保合。
養殖カンパチ 59.3
85
1,137 109

12月は香川・徳島・愛媛・高知・鹿児島・大分産で、中心サイズは3.8kg、値幅は1400〜1000円と安値が前月より下げたが、平均単価は同水準だった。1月末時点では強含みだが、品薄感はないという。

養殖ヒラマサ 1.6



12月は愛媛・大分産で、3.8kgサイズ主体。価格は1400〜1250円、中心は1350円だった。
養殖ヒラメ 43.2
71 1,660 124 12月は大分・鹿児島・三重主体の国産が約7割、韓国産が3割(前年は4割)。中心サイズは1kg。値幅(2000〜800円)、平均単価とも前月同様だった。1月末時点では同水準で弱保合。
養殖シマアジ 8.4 115
1,690 108

12月は愛媛・三重産で、中心サイズは1.2kg。値幅(1900〜1200円)、平均単価とも前月同様だった。1月末時点では同水準で保合。

養殖トラフグ 116.3
70 2,750
183
12月は国産(熊本、長崎、香川、愛媛)が6割、中国産が4割(前年は2割)。中心サイズは1kg。値幅(4500〜1500円)、平均単価とも前月並だった。やはり池在庫が少ないこともあり、1月末時点では強含み。

 

2016年1〜2月の見通し

((株)うおいち 大阪「ストラテジー情報」より)


●養殖マダイ
  愛媛中心に高知・和歌山・熊本他からの入荷となる。各サイズとも在池量は安定しているが、相場も高値安定となっており、需要が鈍り気味。1〜2月の予想相 場(kgあたり)は、1.8kgUP−1150〜1000円、1.7〜1.5kg−1050〜1000円、1.4〜1.2kg−1000〜900円、 1.1〜0.8kg−950〜850円。
●養殖ブリ
 状況は12月と大きくは変わらず、鹿児島産を主力に高知、大分などを含め6kg台〜4kgの入荷となる。相場もほぼ保合で推移しそう。予想相場は、ラウンド(6〜4kg/尾)−850〜700円、フィレー(8〜7kg4枚入)−1350〜1250円。
●養殖ハマチ
 愛媛・香川・徳島方面からの入荷で、1月までは瀬戸内からの入荷もある。中心サイズは4.0kg前後。在池量は安定しており、相場は12月同様、1150〜1000円で推移しそう。
●養殖カンパチ
 九州(鹿児島・宮崎・大分)・四国(高知・愛媛)からの入荷が主体で、1月は瀬戸内からの入荷がなくなる。中心サイズは4.0kg前後。年明け以降は12月並の1350〜1250円で推移しそう。
●養殖ヒラメ
  九州(鹿児島・大分・長崎)主体の入荷となる。韓国からの入荷もあるが、食中毒対策のため入荷が減り、引き合いが強まっている。また、国内物はさらに引き 合いが強まっている。相場は昨年並〜昨年より高めで推移しそう。予想相場は、1.0kg−1800〜800円、800g−1800〜800円、600g− 1600〜800円、500g−1600〜800円。
●養殖トラフグ

  国内物は九州・四国を中心に、輸入物は中国からの入荷となる。例年年明け以降は相場が下がるが、今年は昨年より在池量が少ないため、昨年より高めの相場で 推移する見込み。予想相場は、国内物が1.0kg−3000〜1500円、800g−2800〜1500円、600g−2500〜1000円、中国物が 1.0kg−2000〜1000円。
●養殖アトランティックサーモン
 ノルウェー中心の入荷となる。年明け以降、需要は減ってくるが、在池量が潤沢ではないため、相場は下がらず12月同様で推移しそう。予想相場は、セミドレス(6〜4kg/尾)−1300〜1100円、フィレー(6kg4枚入)−2500〜2000円。
●カキ
 今期は生産の減少から入荷も少なめで高値スタートだったが、年末から年明けにかけては、ほぼ前年並の入荷・相場で推移する見込。産地は広島中心に、岡山、兵庫、三重、宮城など。剥き身の予想相場は、2200〜1300円。



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