三城 勇
〔ア行〕 圧力センサーのトランジスタ出力:圧力センサーのトランジスタ出力は、検出器内部の無接点スイッチ(一種の半導体リレー)がON・OFFするもので、電源電圧に比例した出力電圧が得られる。→2004年8月号82頁参照 圧力センサーのリニア出力:圧力センサーのリニア出力は、具体的には、水中用センサーでは圧力0kg/cm2のとき4mA、5または10kg/cm2のとき20mAとなっている。つまり、センサー部は最大使用圧力5kg用と10kg用の2種類があるものの、両方とも4〜20mAの範囲で圧力に比例して直線的にセンサー部からの出力が変化する。→2004年8月号82頁参照 アンプユニット→近接センサーのアンプユニット MS-DOS版N88 Basic(86):プログラムを作るソフト(プログラム言語)の一つで、命令や関数などの合計は約600。この言語を使うには「MS-DOSバージョン6.2」というOS(オペレーティングシステム)が必要である。→2004年9月号80・81頁参照 オフディレータイマー:電源がOFFになった後も設定された時間だけ出力がONの状態を保持する機能を持ったタイマー(オンディレーと逆)。→2004年7月号82頁参照 オンディレー:スイッチONのタイミングを遅らせる機能→2004年7月号80頁参照
〔カ行〕 近接センサー:物体の存在・接近を、その物体と接触することなしに検出できるセンサー。磁界(磁気)を利用するタイプと、電界(静電気)を利用するタイプがある。→2004年8月号83頁参照 近接センサーのアンプユニット:近接センサー用の専用品で、盤面のボリュームを回すことによって距離を設定する。ただし、直接的に距離を設定できるわけではなく、アンプユニットをON・OFFさせたい位置に物体を置き、ボリュームを回しながら適切な位置を探る作業が必要である。→2004年8月号82頁参照 COM(コム)端子:コモン(COMMON)端子とも呼ばれる。接点がNO端子、NC端子のどちら側につながっていても常に電流が流れる端子。→2004年6月号79頁参照 コンデンサ:電気を一時的に貯めておく部品。→2004年5月号76頁参照 コンパイル言語→「リンク」の項を参照 GOSUB文: プログラムの流れを制御するための命令で、GOSUB文のすぐあとに書かれたラベル(アルファベットの前に*印が付いたもの)または行番号に飛び、飛んだ 先のループ(プログラムの塊)の末尾の「RETURN文」までいくと、元のGOSUB文のすぐ次の行に戻ってくる。この命令のおかげでプログラムの構造化 が可能になり、効率的なプログラムを作ることができる。→2004年10月号80頁参照
〔サ行〕 サーマルリレー:電流が流れすぎたときに電気を遮断するための保護回路。→2004年6月号75頁参照 サーミスタ→熱電対 三相と単相: 三相は、発電所で作られた電気をそのまま(電圧を下げただけで)利用しているもの。日本の場合、道路脇の電柱に張られている電線の電圧は6000Vで、線 の数は3本。つまり、三相6000Vである。電圧を高くしているのは送電のロスを減らすためで、同じ電力を送る場合、電圧を高くして電流を少なくするほど (電力=電圧×電流)、電線の抵抗による発熱を少なくすることができる。しかし、家庭や事業所で6000Vをそのまま使うのは危険なため、近くの電柱に付 いているトランス(変圧器)で200Vまたは100Vに変えている。その際、200Vは三相のまま、100Vは単相に変換される。つまり、三相と単相では 電柱のトランスの構造に差があり、三相では3本の線を使い、単相では3本のうち2本を使っている。使用目的からすると、三相は産業用、単相は家庭用という 区別もできよう。→2004年5月号75頁参照 3本足の小型トランジスタ: 「SC−51」という規格のことを指している。トランジスタの外形はざっと見て100種類ほどあるが、「SC−51」は直径6mmの円柱を長さ7mmに切 り、その円柱の一部を縦に除去して平面の部分を作り、そこに型番が記されている。足の長さは12mmで、底面側から見ると、断面が長方形をした細い金属棒 が3本一直線上に並んでいる。なお、トランジスタは増幅機能を有する部品で、ベース極の電圧変化をコレクタ〜エミッタ極間で拡大=増幅させる。→2004年8月号78頁参照 シーケンス:モーター類のON・OFFのタイミングを決めること。→2004年6月号78頁参照 シグナルオン・オフディレー(1):シグナル入力がONになった瞬間に出力がONになり、設定時間経過後にOFFとなる。ただし、設定時間内にシグナル入力が変化する(ON→OFFまたはOFF→ON)と、再び時限動作を開始する。→2004年7月号81頁参照 シグナルオン・オフディレー(2): シグナルオン・オフディレー(1)と似ているが、最初に出力がONになる時にディレー動作が入り、設定時間経過後にONとなる。また、シグナル入力を OFFにした時もディレー動作が入り、同じ設定時間が経過してから出力がOFFになる。設定時間内にシグナル入力が変化した場合は、出力が反転し(NO接 点からNC接点へ)、時限動作が再スタートする。→2004年7月号81頁参照 シグナルオフディレー:シグナル入力をONにした瞬間に出力がONになり、シグナル入力をOFFにすると設定時間経過後に出力がOFFになる機能。→2004年7月号81頁参照 シグナル入力:タイマーの動作を開始するための入力方法。→2004年7月号82頁参照 ストップ入力:時限動作を一時中断するための入力方法。→2004年7月号82頁参照 絶縁型ボード:パソコン用の拡張ボード(入出力ボード)の一つで、ボード内で電気回路と入出力端子を絶縁したタイプのもの。それにより、現場の電気的雑音や雷の影響を受けるのを回避できる。→2004年10月号81頁参照
〔タ行〕 タイムカウントループ: 時間をカウントするための一連のプログラム。例えば、自動給餌ソフトで「1号池は2Pの餌を5kg、2号池は5Pの餌を10kg、……」という給餌量だと すると、あらかじめ測定済みの各飼料ホッパーからの飼料送り出し量(例えば、kg/分)でこの給餌量を割ることによって給餌する時間が求められる。しか し、この「給餌量」は様々な条件(水温、魚のサイズ、飼育尾数、死亡尾数、人為的調整など)によって日々変化するので、給餌量を計算する部分のプログラム はブロック化してどの池からも利用できるようにするのが合理的である。また、パソコンにはTIME$関数といってその時々の時間(時・分・秒)を呼び出す 関数があるが、誤差が最大プラスマイナス1秒もあるため、給餌時間のような精度を要求される用途には向いていない。さらに、給餌の最中に停電が起こった り、ホッパーが空になったと判断される場合には、そこまでの給餌量を記録して制御を中断し、画面や音で警告を発するといった処理も必要になる。こうしたこ とから、各池の給餌時間を決めるループ(プログラムのかたまり)は、ある程度の高速で時間をカウントしつつ、同時に各種の処理も実行できることが求められ る。→2004年10月号80頁参照 単相と三相→三相と単相 超音波センサー: 物体の存在や接近を、その物体からある程度以上離れたところから検出できる機能を有するセンサーで、透過型と反射型の2種類がある。透過型は、超音波の発 信ユニットと受信ユニットを向き合わせて設置し、両者の間を物体が通過するのを検出する。反射型は、1つのユニットが発信・受信の両方を行い、物体の接近 を検出する。→2004年8月号83頁参照 ツインタイマー:1台のタイマーでONの時間とOFFの時間を別々に設定できるタイマー。外観はマルチレンジタイマーと似ているが、「時間レンジ切り替え用ネジ」と「時間を示す指標」がそれぞれON用とOFF用の2つずつある点などが異なっている。→2004年7月号83頁参照 TTLボード: パソコン用の拡張ボードの一つで、TTLレベル信号の入出力を行う方式のもの。「TTLレベル」は、トランジスタを用いた論理回路(論理IC)がハイレベ ル(ON)と判断する電圧と、ローレベル(OFF)と判断する電圧についての規格で、拡張ボードからの実際の出力電圧は5Vと考えてよい。TTLは、「ト ランジスタ・トランジスタ ロジック」の頭文字。→2004年10月号81頁参照 DLL: 「ダイナミック・リンク・ライブラリ」の頭文字で、プログラム実行の過程で「動的リンキング」されるモジュール(主としてC言語で記述)を集めたライブラ リファイル。主にマイクロソフト製のOSや言語で用いられている。DLLは拡張ボードを用いた制御に特有のものではなく、WindowsではOSやアプリ ケーションソフトの基本的な仕組みとなっている。→2004年10月号83頁参照 DLLレベル関数: ドライバソフトの序列は、ハードウェアに近いものが上位に位置し、(1)デバイスドライバ→(2)DLL→(3)DLL定義→(4)ラッパー関数の順に なっている。「DLLレベル関数」というのは、(2)のDLLにアクセスできる形で定義された関数のことである。ただし、DLLはコンパイルされたC言語 であるため、ユーザーがその中身を見ることはできない。→2004年11月号80頁参照 デバイス:周辺装置の中で中心的役割をするICのこと。拡張ボード以外に、ディスプレイ、プリンタ、ハードディスクなどの周辺機器にも専用のデバイスがあり、それをプログラムから制御するための「デバイスドライバ」と「DLL」が提供されている。→2004年10月号80頁参照 デバイスドライバ: パソコンの周辺装置に使われているデバイスは、プログラムによる設定方式を採用しているため、接続してそのまま使えるわけではない。最初に初期設定を行 い、その設定の下で入出力を行うという手続きが必要で、マシン語による操作が必要である。こうした操作のためのプログラムがデバイスドライバである。→2004年10月号83頁参照 電磁開閉器:ポンプやモーターなどの機器の電源を入れたり切ったりするときに使う部品。三相用と単相用があり、使用する機器の消費電力に応じた機種を選定して使う。→2004年6月号75頁参照 トランジスタ出力→圧力センサーのトランジスタ出力
〔ナ行〕 NO(ノーマリオープン)端子:リレーが動作していない(電磁石に電気が流れていない)状態では回路が開いており、リレーが動作すると回路が閉じて通電する接点。→2004年6月号79頁参照 NC(ノーマリクローズ)端子:NO接点とは逆に、リレーが動作していない状態では回路が閉じており、リレーの動作で回路が開く接点。→2004年6月号79頁参照 熱電対(サーミスタ):温度センサーの1タイプ。白金、鉄、銅、クロムなど、異なる2種類の金属を接合すると、その接合点に温度に応じた起電力が生じる性質を利用している。→2004年8月号78頁参照
〔ハ行〕 白金測温抵抗体:温度センサーの1タイプで、温度による白金の電気抵抗の変化を利用している。測定誤差も少ないため、温度センサーの標準品的な存在である。→2004年8月号78頁参照 VAL関数: 文字型の数字を数値型データに変換するための関数。例えば、VAL("10")は数値の10になり、( )内のデータが文字(例えば"A")の場合は結果 は0になる。ただし、10進数以外の数字も扱うことがあり、例えば「&HFF」は「16進数のFF」であるとして処理される。2004年10月号 79頁の表2の出力用リストでは「VAL("&H"+A$(K))」という記述をしてあるが、仮に「A$(K)」が「AC」だったとすると、 「VAL("&H"+"AC")」になり、結果は「ACH(16進数数値のAC)」ということになる。なお、16進数に"&H"をつけな ければいけないのはパソコンで処理するためで、一般の表記では末尾に"H"をつけて16進数であることを表す。→2004年10月号80頁参照 半導体センサー:温度センサーの1タイプで、3本足の小型トランジスタと同じ形をしている。その3本の足は、アース、電源、出力になっており、温度によって出力電圧が変化する。とても安価(数百円)だが、水中での使用は想定していないため、水温の測定には向いていない。→2004年8月号78頁参照 PCIボード:PCI バス用の拡張ボード。パソコンを使って様々な制御を行うためには、パソコン本体の背面にある拡張スロット(差込口)に各種のボードを追加する必要がある。 その際、パソコンの機種によって拡張スロットおよびその中の端子(バス)の形状が異なるため、拡張ボードもそれにマッチしたものを使う必要があるが、最近 のDOS/V機の多くはPCIバスという端子のみを備えた拡張スロットを有している。→2004年9月号80頁参照 PPI:周辺機器との並列(パラレル)信号のやり取りを制御するためのICで、ぺリフェラル・パラレル・インターフェースの頭文字をとったもの。→2004年10月号80・81頁参照 ビジュアルBasic:DOS/V機で利用可能なプログラム言語(プログラムを作るソフト)の1つで、以前からあった「クイックBasic」を発展させたもの。命令や関数などの合計は1000を超えるので、様々なプログラムが作成できる。→2004年9月号81・82頁参照 ビジュアルC++:DOS/V機で利用可能なプログラム言語の1つ。C言語をベースとしているが、CPUを直接操作できるMASM(マクロアセンブラ)も使えるため、パソコンのレベルでは最も強力な言語と言える。→2004年9月号81頁参照 ビット番号:8 桁(8ビット)の2進数の各ビットの位置のみに注目した番号。8ビットの2進数はコンピュータにおける制御の基本となるため、8つある桁(ビット)に左か ら順に7から0までの数字をつけ、これを「ビット番号」と読んでいる。そして、制御の場面では必ず配線図にビット番号を書くようになっている。これは、拡 張ボードから出ている入出力の線を次の回路に接続する場合、たくさんある線のどこが先頭かを明らかにしておかないと、次の回路が受け取るデータが変わって しまうためである。なお、市販の拡張ボードの説明図には入出力端子に対応する信号の一覧表が記載されており、「信号線番号」と「ポートおよびビット番号」 の関係が明記されている。→2004年10月号78頁参照 ブラシ:モーターのコイルに電気を分配するための接点。→2004年5月号76頁参照 フリッカ:操作電圧ONの状態でシグナル入力をONにすると、ディレー動作が働き、設定時間経過後に出力がONになり、同じ設定時間を経過してOFFになる動作を繰り返す機能。→2004年7月号81頁参照 フリッカオン:フリッカ機能に似ているが、最初に出力がONになる時にディレー動作が入らず、即座にONになる点が異なっている。→2004年7月号81頁参照 フロートスイッチ:フロートの浮力を利用して、水位の変化によって水中でスイッチをON・OFFする機能を有するセンサー。→2004年8月号80頁参照 フロートレススイッチ(水位センサー):電極を水中に設置し、電気的に水位を検出する機能を有したセンサー。→2004年8月号80頁参照
〔マ行〕 マイクロスイッチ: 小型の受動型スイッチで、外部から軽い力が加わることで内部の接点が入ったり切れたりする構造になっている。このスイッチは外部からの力を受けとめるため の突起やアームを備えており、その力や接点の許容電流の大きさに応じてスイッチの大きさや強度が決まっている。内部構造は、1組のCOM、NO、NC端子 から3本の線が出ているタイプが一般的。用途はリミットスイッチ(メカの可動範囲を決めるためのスイッチ)に用いる場合がほとんど。→2004年6月号79頁参照 マルチレンジタイマー:秒単位から時間単位までの様々な時間設定が可能なタイプのタイマーで、オンディレー(スイッチONのタイミングを遅らせる機能)をはじめとする各種の機能を持っている。→2004年7月号79頁参照 ミニチュアリレー(ミニュチュアリレー):文字通り「小型のリレー」で、制御盤では配線を容易にするために端子台を併用する。用途は、パソコンからの信号で電磁開閉器を動作させるための中継回路に使われることが多い。→2004年6月号78頁参照
〔ヤ行〕 ユニバーサル電源:タイマーなどの機器において、一つの電源端子が交流100Vと200Vの両方の電圧に対応できるようになっている機種。→2004年7月号78頁参照
〔ラ行〕 リセット入力:タイマーの動作をリセット(解除)するための入力方法。→2004年7月号82頁参照 リニア出力→圧力センサーのリニア出力 リニアセンサーコントローラ:「4〜20mAのうち、どこでコントローラのスイッチをON・OFFするか」をはアナログ式で設定するもの。圧力を直接設定できるものではない。→2004年8月号82頁参照 リレーボード:絶縁型ボードの1種で、出力にリレー機能を備えているもの。→2004年10月号82頁参照 リンク: コンパイル言語(C言語など)ではプログラムが多くのサブルーチン(子プログラム)によって構成されるため、プログラム作成の最終段階でそれぞれを連携さ せて実行可能な形にする処理を行う。このように実行前の編集段階で行うリンキングを「静的リンク」と呼んでいる。これに対してプログラム実行中に行うリン キングを「動的リンク」と呼び、その対象になるのがDLLである。 論理回路:「デジタル回路」とも呼ばれ、ゲート回路とフ リップフロップの2種がある。ゲート回路には、その機能によってNOT回路(0と1を反転する回路)、AND回路(論理積)、OR回路(論理和)、 NAND回路(AND出力の反転)、NOR回路(OR出力の反転)などがあり、1つのパッケージ(IC)中に同じ回路が4〜6個含まれるICの形で商品化 されている。これらの組み合わせによって論理演算(ハードウェア上の計算で、出力は0か1)を行う。フリップフロップにはSR型、D型、JK型などがあ り、入力は1〜3本、出力は2本。この回路の特徴は、2本の出力は相補的(片方が1なら必ず他方は0になる)であることで、カウンタ(パルスをカウントす る回路)やシフトレジスタ(ハードウェア上で2進数のビットをずらす回路)などに使われている。→2004年10月号81頁参照
〔ワ行〕 ワンサイクル:シグナル入力をONにすると時限動作が始まり、設定時間経過後に約0.8秒間のパルスを1回出力してOFFになる機能。→2004年7月号82頁参照 ワンショット:シグナル入力をONにした瞬間に出力がONになり、設定時間経過後にOFFになる機能。この機能を利用する場合は、NO出力端子を使う。他の機器を動作させるためのワンショット信号を発生させるのにも向いている。→2004年7月号81頁参照 |