二枚貝成熟卵磨砕物「らんまOH」 (株)二枚貝養殖研究所 (有)アイエスシー |
二枚貝成熟卵を原料とする、二枚貝浮遊幼生の餌料「らんまOH」(製造元:(株)二枚貝養殖研究所、発売元:(有)アイエスシー)が発売された。 これまでの二枚貝浮遊幼生の飼育における成長促進、生残率改善は、餌料となる微細藻類による高度不飽和脂肪酸や蛋白含有量の強化、あるいは飼育密度、飼育 水の管理技術などによって行われてきた。しかし、従来の方法では浮遊幼生飼育において成長停滞や大量へい死の発生を回避できない事例が種や地域によって存 在する。 同餌料は、(1)イワガキ、クマサルボウ浮遊幼生での成長停滞や大量へ い死は、卵黄栄養の吸収終了期に発生する、(2)卵内の卵黄顆粒は餌料藻類より小型で経口摂取が可能な大きさである、(3)消化管壁細胞の表面構造から飲 細胞作用による取り込みが期待できる、などに着目して開発されたもので、様々な二枚貝浮遊幼生を健康に育てることができる。 同餌料の製造工程は、(1)二枚貝から直径50μm前後に達した成熟卵 を得る、(2)この成熟卵をオープニング(目開き)5〜10μmのネットを用いて磨砕圧搾する、(3)卵膜を分離して、成熟卵内部の卵黄顆粒が含まれた濾 過物を得る、(4)この卵黄顆粒と卵膜を分離した後の濾過物をオープニング1〜2μmのネットを用いてさらに磨砕圧搾し、その濾過物として二枚貝浮遊幼生 が経口摂取可能な直径1〜2μmの細粒化した二枚貝成熟卵磨砕物を得る、というもの。 なお、同餌料は、長崎県総合水産試験場の大橋智志専門研究員が発明した特許(特開2006-271208)を、(株)二枚貝養殖研究所が同県から許諾を受け商品化したものである。 ■問い合わせ先 |