日清丸紅飼料(株)では、海産魚類種苗生産に欠かせない生物餌料であるワムシへのタウリン強化剤として「アクアプラスET」を発売中だ。タウリンは、近年の研究により海産魚類仔稚魚期に必須であることが明らかにされつつあるアミノ酸の一種。同社ではこのタウリンをワムシに効率良く取り込ませる手法を世界で初めて開発した（特許出願中）。

　 ワムシ中には微量のタウリンしか含有されていないが、同製品をワムシの強化水槽に500ｇ/ｔの濃度で溶解させることにより、ワムシ中のタウリン含量はア ルテミアレベルまで強化可能であり、さらに1000ｇ/ｔで溶解させると天然コペポーダレベルまでの強化が可能となった。

　タウリンを強化したワムシをマダイやヒラメ、アユなどの仔魚に給与する ことにより、生残率や成長性の改善、さらに活力が向上することが研究によって明らかにされている。また、人工種苗生産した孵化仔魚では、ワムシ給与期間 中、成長にともないタウリン含量が低下するが、タウリン強化ワムシを給与することにより必要十分なタウリンを摂取し蓄積することを突き止めた。

　また、同製品はワムシに不足しがちな水溶性ビタミンもバランス良く強化することが可能であり、こうした技術開発と製品開発により、海産魚類の種苗生産がより発展するものと期待される。

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